口は災いのもと

2020年4月14日

ヤフーのトップニュースを見ていたら私の好きな芸人さんの名前が出ていて、思わず声を出してしまいました。大坂なおみさんの肌の色のことをネタ中に取り上げたことで有名になってしまったAマッソです。

こんなことで彼女たちが有名になっているとは昨日まで全く知りませんでした。

問題発言は(前後の流れを聞いたわけではないのでどういう感じだったかわからず、なんとも言えないですが)確かにセンシティブなところに突っ込んでしまったのではないかと思います。

でも、かなり叩かれているところを見ると、なんだか気の毒に思えてくるのです。

私はAマッソのファンだということはここでも公言しているので、そんな風に言うと擁護している感じに受け取れると思いますし、不快に感じる人も多いかもしれません。

たしかに漂白剤という表現が適切ではなかったし、私も知らなかったんですが実際に漂白クリームというものがあるらしく、そういうことを色々と踏まえても「面白い」とはならないとは思います。

ただ、思うのは、まだAマッソのことを知らない人も結構多いみたいなので(お笑い好きな友達でも知らないと言ってた)知らない人がこうやってニュースで取り上げられてたら、知らない人だしどうしても「頭悪い芸人」「分別がない」というイメージでしか見ないよな、ということです。

もしAマッソを知らなかったら、悪いけどニュースを見て私もそういうふうに感じるかもしれないと思いました。

でも有名な芸人さんがこうやって炎上した場合は、大衆の感じ方はちょっとAマッソのケースとは違うところもあると思います。

その人が普段どういうふうな姿なのかということを知らないがニュースを見るのと、知っていて見るのとではやっぱり違いますよね。

もちろん、どちらにしても適切ではないことに変わりないし、どちらにしても炎上したとは思うのですが。ただ、特別その人のことを知らなければ「そういう人たちなのかな〜」というイメージで終わってしまうからです。

だから私は「気の毒」と表現したのですが、それはやはり、あくまでもこれまでの姿を見ている者としての感想です。

ネタを書いているのはほとんど加納さんのようですが、私はこの加納さんがちくまwebの連載で書いている文章が好きでした。もう、この連載もどうなるのかはわかりませんが、、

他の芸人さんにも言葉のセンスは秀逸とは言われていたのですが、それが間違った方向にいってしまい、こうなったことだけが残念です。

今までもAマッソは割と芸能人をいじったりすることがあったし、M-1の敗者復活にて「妹を殴り殺すゲーム」を題材にしたネタもあり、個人的にはこちらのほうがやや微妙な部分があった気がしました。

とにかくそういうちょっとギリギリのところや、ちょっとセンセーショナルなこと、えっ?て思うことを題材にしたネタを作っているイメージはあるので、遅かれ早かれこうやって問題になったのかもなとは思いますが。

あとは、こういう炎上案件って今はSNSがあるので色々ありますが、悪意があって発言したのか、そうではないのかということも含めて考えることも必要だと思いました。

私は小さい頃、話をするのは苦手でした。今でもややその名残があるような気がします。

なぜかというと、思いついたことをついストレートに言ってしまったことで「そういう意味で言ったんじゃないのに、一番やばい言い方をしてしまった」と思って後悔したことが何度もあったからです。

大学の授業で発言したことを悪い風に受け取られたことがあり、「そういう意図で言ったのではなかったのに」と思いながら、先生の逆鱗に触れてしまいその場で批判され、家に帰ってから泣いたことがありました。

だから公の場で意見を求められても、あまりすぐには発言できずにいました。よく考えてから言うことにしたので、それ以来、私はすぐに口を開くのはやめようと思いました。

こういうブログの文章は推敲してから公開することができますが、日常生活では「あっ、違った」とか「この表現はやめたほうがいいかな」とか、そういう風に思っても、言葉に出してしまったらもう訂正できませんよね。

だから口は災いのもとって私は思っています。

「ちゃんと配慮してたらそんなことは絶対言わないはずだろ」って言うことを言ってしまうのが不適切発言だと思いますが、案外誰でも、そういうつもりじゃなくてもつい言ってしまったという場面って一度はあるのではないでしょうか。

あまり深い意味なく言ってしまったけど実はそれは繊細な問題だった、とか。

頭の回転の良い人はすぐに分かることで、そういう「センス」がとても良い人もいます。こういう言葉を選んだら相手は傷つくんじゃないかとか、こういう言葉じゃなくてこっちの言い方のほうがいいとか、そういうことを言葉に出す前に瞬時にすぐに分かる人は、います。

その一方で、悪意がなくても、すごく悪い言い方してしまう人も、やっぱりいます。

Aマッソは芸人さんで、言葉を扱う人だから、私達と違ってそのへんがプロじゃないといけないのは、わかります。

芸人さんもなるべく、人が傷つかない笑いを提供できるよう配慮することも大事です。

でも、「相手に対して故意に意地悪を言っている人」とはちょっと違うと思います。

あまり悪く言われすぎているのを見ると、ちょっと複雑な思いでした。

2017年のM-1のことを私は忘れません。

個人的に色々あって、辛い気持ちで六本木ヒルズで見た敗者復活戦でした。

Aマッソは準決勝でやらなかった初見の不思議なネタ「文化に触れな侍」を敗者復活でやって、会場全員が、どこで笑ったらいいかわからないって感じで、ぽかーん…としていました。

それを見て、決勝進出は間違いなく無理だと確信しましたが、私はなぜかとても清々しい気持ちになりました。

万人が面白いと思える形には全然なっていなかったけど、自分たちの表現したいことをやり尽くしている感がすごかったからです。

その年の予選でまあまあ受けてたネタがあって(「五目ラーメン」。ファンの方いたらわかったりしますかね?)私はてっきりそれをやると思ってたので、驚きました。

Aマッソは最近、アンガールズの田中さんに「ライブの客層に合った笑いを提供しないとあかん」みたいに怒られていました(一理あります)。

でも、私はそういう、どこまでも観客に媚びずに自分たちの個性をぶっこんでいこうとするところも好きです。

人を傷つける発言をしてしまったことは取り返しはつかないけど、それ以上にまた人を笑わせたり勇気づけたらいいのかなと思います。

私もAマッソの2人と同じ学年です。

自分も過去に自分の発言で人を傷つけたことがあったかもしれないけど、なるべく相手に配慮して言葉を使おうと思いました。

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雑記

Posted by やよい