２９歳最後の夜に思ったこと。
体調不良は少し良くなってきました。
今のところ特に異常も見つかっていないので、ありがたいと思うことにしている。
最近、いろいろあって胃カメラもやってもらった。「結論から言ったらめっちゃきれい。胃が痛いのも精神的なものやと思う」とのこと、まあ様子を見ていこうと思う。
ところで、先日29歳最後の夜を迎えました。
私は同学年の中では誕生日が遅いほうで、すでに３０歳になった友達が「２０代が終わるときは結構いろいろ思ったよ」などと大台に乗る前の心境をそれぞれ教えてくれていた。
「とはいえ数字が一つ変わるだけ、自分は誕生日が来る前に騒ぐほどでもないだろう」と思っていたけど、いざ３０歳目前になると、たしかに割と複雑なものがあった。
これは私が「２０代をやりきった」という自信がないからかもしれないけど、これでスッと終わっていいのか？みたいな気持ちだった。
「２０代最後という節目の日なんだから」と思って何か特別なことをしたくもなったけど、特に何も大きいことはしなかった。これもまた、私らしいかもしれない。
さっき「２０代をやりきったのか自信がない」と言ったけど、それはよく考えたら世間一般的な視点での評価になっているかもしれない。
２０代のうちにやっておいたほうがいいこと、とか、そういう書籍やネット上の記事とか、よくあるじゃないですか。そういうのを熱心に読んだりしたわけではないけど、「やっておいたほうがいい」と多くの人が思うことのうち、私はできていないことがおそらく多いと思う。
人によって考えも違うし、正しい答えがあることではないけど、多くの人が２０代でやりたい、やっておいたほうがいいと思っていることって、なんだろう。
海外旅行とか、友達と思い切り遊ぶ、留学とか勉強？一生の趣味を見つけるとか？
確かに大学３年のとき以来ほぼ海外に行っていない。友達とも遊んだけど、そんなにリア充って感じのキャラでもなかったし遊び倒した！って気もしない。
でも、それでも自分なりには色々挑戦できたのではないかと思うし、自分なりに成長もした気がします。
自分が２０代の学びで大きかったものが何かあるとすれば「正しく挫折することができた」ということではないかと思った。
私は、大学まではそんなに大きく挫折したと思う経験はなかったのです。
第一志望の大学に入れた、良い友達もできたし、バイトやサークルなどいい経験もそれなりにできた。就職活動だって楽しかったし、希望していた大手企業の内定ももらった。就職するまでは希望に満ちていた。
ただ、それから新卒で入った会社を１年ちょっとで辞めるという、当時の私からしたらかなりアウトローな路線に踏み入れ、それからの人生は色んな面で順風満帆ではなかった。
それからは想像以上に「うまくいかないな」と思うことは非常に多くあった。
仕事もそうだけど、特に恋愛。
大学以降の私の恋愛で感謝している相手もたくさんいるけど、結局はどれもうまくいかなった。（これは最終的に結婚まで続かなかった、という意味で。）
あまりにもうまくいかなさすぎて、辛い思いもたくさんして、神はなぜ男女を存在させたのかとか、なぜ人に感情というものを与えたのかとか、そういうことまで考えたときもあった。病んでますよね。笑
人を好きだとか好きじゃないとかそういう感情と付き合っていくことに時に疲れながら恋愛していた。
去年、たまたま見ていた新聞のコラムで「愛する人との別れは辛く苦しいものだけど、出会った人とは必ず別れる運命にある。出会えた意味を考えて、その人と会えたことに感謝しなさい」と書かれていた。
それが結構響いて、考え続けても仕方がないことや、きっぱり割り切るしかないことが存在することを思い知らされた日々だな、としみじみ思っていた。
２７歳から２９歳にかけては、今振り返っても本当にどうしようもなかったときもあった。
そのピークのときには、「誰にもこんなことを言える人もいないけど、誰かに心の悲鳴を言わないと自分は（精神的に）死んでしまうかもしれない」と思った。
けどあまりにも誰にも言えなくて、普段自分で電話をかけたりかかってきたりしたことがない実家の父親の携帯に、一度だけいきなり電話したことがあった。
父はいきなり何事かと思ったかもしれないけど、普通に淡々と答えてくれた。
「人に対して誠実に向き合えない人はずっと変わらない。そういう人と付き合うことは、心をすり減らすばかりで何もいいことはない。」「忘れられないと思うかもしれないけど、それでも忘れられる日は来る」と言われた。
詳細は割愛して手短に話したものの、父親に恋愛相談という恥ずかしいことをするなんて相当切羽詰まっており、誰かに聞いてもらわないと苦しくて死んでしまいそうな状況だったのだろう。
けど、今その発言を思い出したら、相当的を得た回答だったと思う。
多分心理的には麻薬中毒者みたいなものだった。わかっているけど心がついていかないという。あの時は本当に辛かった。当時の感情はもう薄れているけど、それでも辛かったということだけはしっかりと覚えている。
それでも深く悩みながらも平常心を保ち、会社も休まずになんとかよくやってこれたものだと思った。
振り返ってみたらそういう経験を経て、いつの間にか今は新しい考え方をできるようになった自分もいた。
世の中にはいろんな考えの人がいる。自分と同じ考えの人のほうが少ない。自分が必要以上に期待してしまうからこそ、傷ついてしまうのだと思う。
悩んでいた時期に６歳年上の女性が「その経験は、必ずいつか糧になるときがくるよ。」と言ってくれたこと、その場ですぐに納得はできなかったけど、数年経ってからすごく腑に落ちるものがあった。
何が言いたいかというと、今つらいと思っている人は（信じられなくてもいいけど）毎日同じでこのまま悪くなる一方だということはないと思いますよ、という。
逆に幸せならば次は悪いことがあるかも、とかそういうことを言いたいわけではなく、自分が少しずつでも前を向こうとしていたら、ずっと状況が好転しないということはないんじゃないか、ということです。
好転の解釈はいろいろだけど、少なくともずっと辛いままではないのでは、と。
あと、仕事に対する考え方も、仕事にあたって職場や同僚に求めることも、ちょっと変わりました。
今もまだ悩んでいることもあるけど、「こうでなくてはならない」という固定概念みたいなものは、かなり薄くなった気がします。
その「こうでなくてはならない」という気持ちをもともと他者に向けるつもりはなかったのですが、最近まで、無意識のうちに向けてしまっていたところがありました。
自分の方針がこれまでのものから変わったのは事実ですが、情けないことに、それをふまえて自分がどういう仕事をこれからしていきたいのか、その答えはまだ見つかっていません。
これからまた考えていこうと思います。
とにかく悩みが多かった２０代で、私にとっては辛いことも多い時期だったのは事実です。でもこれはこれで必要なことだったのではないかと思っています。
決して強がっているわけではなくて、私が乗り越えるべき課題だったと解釈しているというか。
自分が思い描いていた「大人」になりきれていないし未熟なところもあるけど、それでも少しは成長できたかな。