結婚の国へ向かう友達を送り出す、独身のアラサーの話。
ここ1か月くらいの間で、友達の結婚式が2件、結婚式をすることになった報告が数件立て続けにありました。アラサーあるあるですね。
実は二次会の幹事もやりました。大規模なものではなかったとはいえ、ちょっとイレギュラーな形式のものだったこともあり、そのことで忙しくしていたおかげで日々の雑念は捨てられたような気がします。
私は日ごろから時間があればあれこれと深く考えてしまいがちな性格なので、それはそれで友人がくれたありがたい機会だったなあと思いました。それから、やっぱりこれも一種の自己満ではあるけど、意外と準備するの楽しかった。結婚式という前向きなイベントの性質からいっても、別に準備してて暗くなったりするようなことではないので。
友人にも喜んでもらえたみたいなので、よかったのかなあと。
実は幹事をした友人の2次会が終わった直後、旦那さんが別の会に行ってしまったので1時間ほど新婦の友人と落ち着いて話す機会がありまして(すごく珍しいパターン)。結婚当日の友人と2人だけで1時間おしゃべりするなんて、たぶん最初で最後の経験だと思う。ちょっと考えさせられたので、ここに書き残します。
そのときの友人は「幸せいっぱい」みたいな感じではなく、なんだか既にとても現実的な感じであった。「これからの生活への不安みたいなのが、結構ある。子供のこととかも覚悟ができてなくて」と言っていた。
全面的にハッピーな感じではなく、どこかこれからの生活への不安をにじませていたのが印象的でした。すべて終わった後でほっとして、友達の私に本音の一部を見せてくれたに過ぎないとは思いますが、結婚式当日に友人がそんなふうなことを言うことが想像つかなかったので、私はいささか驚きました。
「ああ、結婚するひとも、結構不安いっぱいあるんだなあ」と。もちろんその人の性格にもよるし、ケースバイケースでしょうけど。
その子は旦那さんとは非常に長いこと付き合っていたのですが、結婚前にプロポーズを保留にしているということを聞いていたので、なんとなくですが「本当にその人と結婚していいのか?」みたいな彼女の迷いを感じていたのもあり、余計複雑な気持ちになりました。
結婚式後に話した彼女は「まだ心のどこかで結婚に迷いがある」みたいな風に見えました。「プロポーズを保留にしていた時期があったじゃない?それは結婚自体を、まだしたくなかったし」とその日も言ってました(私からしたら贅沢すぎる発言)。
でも、今はまだ結婚したくない云々の問題は嘘ではないんでしょうけど、私にはそこまでハッキリ聞くことはできなかったものの(なんせ結婚式の当日なんで)おそらく旦那さんは彼女の一番好きな人ではなかったのでは、と勝手に推測しています。
たぶんそんなこと言われたら彼女は100%「それは違うよ」と否定すると思う。彼女も自分で気づきたくないし気づいていないかもしれないけど、第三者の視点からみてそう感じる何かがありました。
プロポーズを受けるかどうか迷っていると彼女が言っていた時期、私も彼氏と別れたばかりで「忘れられなかったらどうしよう」みたいな話をしていました。
そのとき彼女から聞いた話ですが、彼女には今の旦那さんと付き合う前にかなり好きで尽くしまくっていた元カレがいて「もし、その人が今、よりを戻そうって言ってきたら、私はそっちに行くかもしれないって思う。実際に行動するかどうかはわからないけど、未練なら、私もあるよ。今でもある。未練て時間の問題じゃないかも」って言っていたのが超驚きでした。
私と同じように元彼と別れてフリーの人の発言なら「そっかあ、あなたもね」とか思うんでしょうけど、彼女の場合は今の旦那さんとそのときすでにかなり長く付き合っていたし、プロポーズされるような段階まできているし、非常に仲がいいように見えたので元カレのことなんか完全に忘れていると思ってました。
だから「えええ?まじで??」みたいな反応したのを覚えています。
私は、今まで「前の人に未練あるけどね」みたいな気持ちで付き合った人がいないというか、今の人が一番ってスイッチが入らないと付き合いが続かないタイプなので、彼氏がいても以前の人に未練があるっていうのがわからないんです。
「今までの彼氏の中で誰が一番好きだった?」っていう質問がきたら(全員と別れた今となれば)この人だろうなっていうのはいるけど、付き合ってるときはその時の彼氏のことを「この人が一番好き!前の人はどうでもいい」って思えると思うので…
だから「元彼に未練がある」と言えてしまう状態ならば、イコール今の彼氏のことを実はそんなに好きになってないんじゃないんじゃないかな、と思っていた。
その気持ちはわからないけどそういうこともあるのかもしれない、って今思うのは私が大人になったんでしょうか?
それは経験が増えて幸せなことなのでしょうか。
人間の感情ってそんなに一筋縄ではいかないし、世の中の男と女の問題はそんなにシンプルにできているわけではないので、ただ単に「旦那さんのこと好きじゃないんじゃないの~?」みたいな感想で片付けられない何かがあるなと、人のことながら悶々としてしまいました。
(もちろん式のときは心から幸せそうな顔で笑っている友人を見ていたので、結婚自体したことを後悔しているとかって感じではないでしょうが。)
「一番好きな人と結婚するのが正解ではないときもある」ってよく耳にすることがあるけど、生活の面とかいろいろ考えるとそうなのかな、結婚という性質上。
だけど、ちょっと曇った表情の彼女を見て思った。
「この人だから一緒にいたいと思ったんだよね」って、結婚式の日くらいよどみない明るい顔で言えるもんだと思ってました。
いつも割とポジティブで、基本的にそんなメンヘラ気質の子ではないと思っているんだけど、その日のうちにそんな冷静なテンションになってしまう「結婚」ってなんなんだろう?と。
もちろん、結婚には不安はつきものだと思う。他人と家族になるんだから。誰だってストレスも不安もある。幸せって思うことばかりじゃないと思う。
でも、「実は今結構不安なんだけど」って言ってる友達の顔は「結婚、ついにしちゃった。もう、後戻りできなくなっちゃった」って言っているようでした。見てるこっちが、複雑でならなかった。
10年前のクリスマスは彼女と一緒に彼氏いないねーって言って過ごしたんです。そのときのほうが幸せそうに私も彼女も不安などなく、笑っていたような気がしました。
どうしてなんでしょう?
大人になると、守るもの、捨てなくちゃいけないもの、複雑な葛藤、
そういうものがつきものになるから混ざりけのない100パーセントの気持ちというものは、10代のころよりさらに少なくなる。それは大人になったということだ。たぶん。
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