「自分らしさ」っていったい何なのか。こじらせてるアラサーからの見解。
「気が付かない」よりは「気が付く」人のほうがいいし、
「ぼーっとしてる」よりは「しゃきしゃき動く」人のほうがいい。
私は、心の中でずっとそう思っていました。
どっちがよくてどっちが悪いというのはない、なぜなら人間には個性があるから。ってよく言いますよね。
理論的には「みんなちがってみんないい」の概念に納得していても、実際のところは、世の中にはさまざまなステレオタイプがある気がします。
相反するふたつの性格の特性があるなら、私たちはどちらかのほうが「優れている」と知らず知らずのうちに思っていることも多いのではないでしょうか。
例えば、活発なほうが静かな人よりもいいとか、さっき挙げたように、よく気が付くほうが鈍感な人よりいいとか。そういうの。
子供のころ「私なんて〇〇ちゃんとは違って明るくないから」「私なんて気が付かないし鈍感だから」といったら、大人は「物事には二面性があって、よく気が付くということは逆に神経質とも言えるし、鈍感ということはおっとりしているともいえるから、それが長所にも短所にもなりうるのよ、長所にするかは自分しだいよ」などと言われたものです。
大人になった今でもいろんなところで耳にする話だし、正論だと思う。
ただし、私は本当のところは、そういう話に対して「確かにそうだなあ」と心から納得したことが一度もなかった気がする。
「いやいや、でも暗いより明るいほうがいいに決まってるから!!笑」
「気が利かない子のほうがいいなんて人いる?ありえへんし絶対それは違うわ」
って思っていました。
でも、30手前になった今、「別に気が利かなくても魅力的な人っているんだな」転じて「こういうふうになりたいと私が思っている性格じゃなくても魅力的になりえるかもしれないぞ」と、人生で初めて思わされる出会いがあったのです。
私の知っている同世代の女の子で、とても不思議な子がいます。
彼女は職場で同じチームになった子なのですが、いつもにこにこしていて、私の職場で起きている理不尽なことにも、私たち既存の社員とは違って、感情的になったり怒ったりしません。
その子は、決して自分からササッと立ち上がってパキパキ動くタイプではないので、忙しいときは「普通はもうちょっと先輩より先にやろうと思うだろうに」などと正直思ったことがありました。
飲み会の時も「先輩にやらせちゃいけない!後輩の私が先にやらなくちゃ」みたいなよくある意識は特に感じられず、私がお酌しても、取り分けてても「ありがとうございます」ってニコニコしているだけ。
でも正直、私はそういう彼女が好きなんですけどね。
今の職場はともかく、私が今まで所属していた組織は特に上下関係も厳しかったので、もし自分がそういうふうにふるまったら絶対に「あのねえ」っていう目で見られたり色々先輩からもネチネチ言われるだろうな、としか思ったことがありませんでした。
なので、私自身はそんなふうにふるまったことがなかったのですが。
でも本当に不思議なことに、彼女は決して嫌な感じを人に抱かせないんです。それで、「どうしてなんだろう?」と思ってみていたら、あることに気づいたんです。
この子、自分に自信があるんだな。自分のことが好きなんだな。って。
思えば、私は彼女に出会ってからの1年間、彼女が「卑屈になっている」瞬間は一瞬も目にしたことはなかったんです。
もし、私の前の職場にその子がいたら、先輩社員にはどういわれていただろう?きっと、私が気を付けてても言われた「〇〇ちゃんはもっと早く動いて。もっと積極的に提案もして」を、もっときつい言い方で言われたと思う。
私の場合、そういうことを言われたら「ほんとそうだよな…私どんくさいもんな。みんなできてるのになんで私はこうなんだろ。だからダメなんだけど。ボロが出ないように、一生懸命もっと頑張らないと」って思って自己嫌悪に走ってしまっていました。いつも。
でも、その子だったら絶対にそういうふうには思わないだろうな、と。
実際、前の職場は超厳しかったし女のお局がたくさんいたんだよねーって話をその子にしたら、こう言われたのを私はよく覚えています。
「えー、やだ、そういうの怖いーー、そういう職場わたし向いてないですー」って。
私と違って、自分が間違ってるんじゃなくて、自分がそこに合ってないっていう発想をしている。だから自分の性格を大事にしてるんだなってことがよくわかった。
何かあっても、自分がのんびりしてるのが悪かった、みたいな態度は一度も感じたことがないので(別に傲慢に見えるという意味ではない)卑屈な態度にならないっていうことは、自分が思っていた以上にとても大事なんではないかな?と最近思います。
だし、付き合いが長くなったら、気が利かなくたって十分優しくて思いやりがある子なんだなとちゃんとわかるんですよね。
それに、問題に気が付いていないのではなくて、起きていることに気づいてはいるけどそれを自分がやったほうがいいのかやらないほうがいいのかわからなくて、瞬発力がないタイプなんだな、と彼女を観察してて思う。
だから「なんでもかんでも気が利けばそれでいいってもんじゃないんだ」とこの年になって初めて本気で思ったんです。
彼女が率先してやる子じゃないから私も変なプレッシャーを感じないですむし、ある意味それも無意識に分かっててやってるところもあるんじゃないかと思うし、その場の空気をよくしてくれているようにも思えてくる。
どうして彼女はこんなに自己肯定感が強くなれたのか、育ってきた過程で何が私と違ったのか、単に考え方の違いなのかわかりませんが、自分自身を正しく愛してあげられている子なんだと思いました。
いろいろ見てて思うけど、こういう人はまあモテると思う。
いままで、私が自分を好きじゃないのは、自分の性格に直したいところがたくさんあって欠点が多すぎるからだと思っていた。
でも、たぶんそれは違うなということに気づかされつつあります。
結局のところは、どんくさいから自分に自信がもてないわけじゃない。
根暗だから、気が利かないから自分を好きになれないわけじゃない。
私が今とは真反対の性格でも、同じことを思っていたかもしれません。
自分のもともとの個性をそのまま愛そうと思ったことがないから、自分を十分受け入れられていないから好きになれないのであり、自分に自信を持てないんだと思う。
ミスチルの中で1、2を争うくらい好きな曲に「名もなき詩」という有名すぎる曲があります。子供のころからこの曲がとても好きでした。
(私の世代でこの曲を聴いたことないって人は少ないだろうけど、今の若い子ってなると、この曲知ってるのかな?私でさえ、この曲が流行ったときはまだかなり小さかったから。)
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知らぬ間に築いていた「自分らしさ」の檻の中でもがいてるなら
誰だってそう 僕だってそうなんだ
ドラマの主題歌だったのでそのストーリーを意識している歌詞ではあるなと思いますが、この部分はやっぱりとても好きです。
自分はこうでなくちゃいけない、根暗じゃいけないし、もっと明るい女の子でいなくちゃ、私はこうありたいしこうあるべき、みたいな勝手な自己イメージや理想のようなものに結構縛られすぎていたかな、この年になっても。
思春期の高校生みたいなこと言ってますが、いまさらながら、そう思いました。
ディスカッション
コメント一覧
やよいさんのこの記事、とてもとても心に響きました。
自分を丸ごと正しく愛するということはどういうことなのか、初めて理解できた気がしました。
わたしもやよいさんと同じように、『なんだかんだいっても結局は明るくて気が利く子がいいに決まってるじゃないか』って思っていました。
その考えは今も変わらずあり、そうで在れない自分をどうしても好きになれなくて。
やよいさんが出会ったというその女の子は本当にすごいですね。
傍から見ればわたしとすごく似ていて、わたしもそんな感じだわーと思ったのですが全然違うところが、そんな自分を好きでいれているか否かという所。
わたしだったらやっぱり「ダメすぎる自分…」って落ち込んじゃいます。
「こうでいなくちゃ,こうあるべき」という理想に縛られすぎています。
本当にどうやって生きてきたら(?)そのようになれるのかとても興味深いです。
今までセルフイメージを上げるにはどうしたらいいかとか色々書籍を読んだりしてきましたが、1番根本のところを理解できていなかったし、とても大事なところに気づくことができました。
自分を丸ごと愛すというのはとても難しいですが、どういうことかという課題がよくわかりました。
本当に感謝したいです☆
ありがとうございます。
きゅうさん、コメントありがとうございます!そんなこと言っていただいてとても嬉しい思いです。
私も、自分を好きになる方法なんてわからないままこの年齢になってしまいました。
「自分を大事に、自分のいいところを好きになりなさい」とはよく聞きますが、わかったようなわからないような、自分の性格が自分で好きでない人はその性格を変えるしかないんだなと思っていました。
私もその女の子を見てはっとしました。一般的にはマイナスイメージなこと(ちょっとぼーっとしている)を、堂々としているだけで全然嫌味にも感じないし、逆におっとりしていて素敵だなと思えたんです。
同じような性格で「あ、気づかなくてすみません…」っていう無言の後ろめたさが態度に出ているのがわかる子も多いのですが(私がまさにそうです)、とても堂々としている感じの子を初めて見て、思いのほか素敵だなという印象を受けたので、目から鱗でした。
嫌いだった自分の特徴を、180度発想を変えて「実は長所なんだな」と捉えてみれるかな?と初めて思いました。私も、まだまだ乗り越えられていませんが、ヒントをもらった気がします。
私こそ、きゅうさんの記事を拝見していて自分の考えや性格と似ているなと勝手に思っていましたので、光栄です。
これからもブログの更新楽しみにしています。
初めまして。やよいさんの記事、いつも読ませてもらってます。私は今21歳で、来年から社会人なのですが、やよいさんの考え方が自分ととっても似ていて、未来の自分が書いてるのかな、くらいにまで思ってしまいます笑 なので、やよいさんのどこか自分に自信がなかったり、素直になれないっていうのが痛いほどわかります。それで、私もすでにこじらせ女子なのですが、落ち込んだときに少しでも気分を上げる方法として、こじらせ女子が出てくる映画(特に洋画)をたくさん観ています笑 やよいさんも落ち込んだときに是非試してみてください。文章を書くのと同じくらいストレス発散ができるかもしれません。
はじめまして、いつも綺麗な文章を書かれていて、以前から時々ブログを拝見しておりました。
今回の記事、本当に共感しました。
私もやよいさんと同じタイプで、こうでありたい、と思う自分の理想の姿と、現実の自分のギャップにもがいています。笑
でも、こういう自分でありたい、って思うのって、向上心があるからじゃないんでしょうか。現状に満足しないでもっと良くなりたい、と思うからこそ、そのように思うのではないでしょうか。
少なくとも、私は仕事に対しても趣味に対しても、いつも現状に満足してないです。笑 壁にぶつかっても、いつまでもくよくよせず、掲げた目標に向かって前に進む。そんな強さが、恋愛では仇となっているんですが(笑)(笑)
やよいさんもきっと、そんなタイプじゃないですか?
決めつけるような言い方をして申し訳ないのですが、そうであるならば、こうなりたい!と願ってしまうことすら、長所なのではないでしょうか。
大事なのは、それを長所として自分を認めて褒めてあげられるかどうかということだと思います。卑屈になったらいけないのだと思います。
私もよく前まで卑屈になっていたのですが、卑屈な言葉を発するのは徹底的に禁止にしました。(笑)
自分を認めて、もっといい自分になっていけるよう、お互い頑張りましょう☆
haruharuna0さん
こんばんは。お返事遅くなってしまってすみませんでした。
私の思いに共感していただき、さらにコメントまでいただいて本当にうれしく思います。
実は私は映画に対する興味があるのですがあまり邦画・洋画問わず多くの作品を観たことがありませんでした。この機会にぜひ見てみたいと思います!
haruharuna0さんのようにお若い方からも読んでいただき、共感いただける部分があるなんて、(なんといっていいかわかりませんが)書いていてよかったなと思いました。
また気が向いたらブログ覗いてやってください(^^)
のんさん
こんばんは、コメントありがとうございます!以前から時々読んでいただいていたとのこと、とてもうれしいです。ありがとうございます。
のんさんのコメント、大変的確なご指摘だと思いました。その通りです。笑
最近もある方から言われたのですが、私は下を見ている印象は全然なくて、上ばかり見て生きているようなイメージだそうです。客観的にみるとそう思われているのか…とちょっとした気付きがありました。
のんさんもそんなタイプとのこと、私もそうかもしれないと思います。もっといい自分になりたいと思っていることが自分の長所という発想は恥ずかしながら盲点でした。気づきのヒントをいただき、ありがとうございます。
私も最近やっと、少しずつではありますが、自分の価値を自分で下げるような卑屈な言い方をしないことを実践できつつある気がします。それってきっととても大事ですよね。
のんさんもお若いのにとても大事なことに気づかれていてすてきだなと感じました。またブログ拝見させていただきます(^^)